ビジネスをイージーにする行動経済学の力とは!?

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消費活動をするうえで、私たちは行動経済学の影響をかなり受けています。

広告に「女性タレント」が使われるのはナゼ?
マッサージ屋さんが時間制であるワケとは?

ポーポー・ポロダクション著「マンガでわかる行動経済学」より、
今回は【ビジネス編】ということで、経営者の方はもちろん、仕事をしている人なら、すぐに使えるような「マル秘テクニック」をまとめてみました!

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是非、今日から使っていただき、絶大な効果を実感して頂けたら嬉しいです!

女性の顔は不安を和らげる効果が!

南アフリカである金融会社とハーバード大学が共同で銀行事業を開始しました。

彼らはローンの顧客を増やすためにある実験を行いました。
それは取引先に送るローンの案内に利率を高くしたり、低くしたり、抽選で携帯電話が当たるチャンスを用意したりといくつかのサービスを展開し、どんな内容が顧客の心に響くかその反応を調べようとしたのです。

すると面白いことが判明しました!

最も効果的だったのは、案内書に掲載した銀行員の写真だったのです。
顧客が男性である場合、案内書に女性銀行員の写真を使うと、利率を5%下げた効果と同じ結果が得られました。

当時、南アフリカの相場では小口の短期貸し付けは7.75~11.75%が相場でした。
案内書の銀行員が女性の場合、5%利率を高くしても申し込みたいという動機を作ってしまったのです。

これは日本の銀行や消費者金融がローンのメインキャラクターに高感度の高い女性タレントを使うことと似ています。

「ローン」=「金貸し」というイメージを払拭し、タレントの良質なイメージと重ねて、好意的な存在と刷り込ませる効果がある事は知られています。

しかしそれだけではありません。

初めての場合、ローンはなかなか利用しにくいものです。
それがきっかけで借金拡大への不安、個人情報の流出不安、店舗側の対応の不安など様々な不安が付きまといます。
しかし、人(特に男性)は女性の写真を見るだけで、不安感が低下してしまう傾向にあるのです。

なぜマッサージ屋は時間制なのか?

適正な価格というものを理解するのは難しい話です。

「うちの会社はデザインに対して理解が低く、デザインにお金を出すのをしぶる」という話をききます。
これはめずらしいケースではありません。

製品などは原材料費があり、工場があり、多くの人がかかわっていて「お金が使われた感」がわかりやすいためにお金を出しやすいのですが、デザインのような技術的なものに対しては、お金が使われた感が分かりにくく、安易に量産できると錯覚し、お金を払いたくない気持ちを持ってしまいがちです。

同じように、人はマッサージのような技術にもお金を払いたがりません。

たとえば、上級技術者が5分で的確にあなたの疲れをなくしてくれたとします。
一方、初心者が不器用にでも懸命に30分かけて疲れをもみほぐしてくれたとします。
そうした場合、初心者の方に満足感を持つ人が多いのです。

人は技術ではなく努力に満足感を得る傾向があります。
ここにマッサージ屋が時間制になっている理由があります。

本来ならば症状に応じて施術内容も時間も違ってしかるべきなのです。

ほかにも、新人のカギ屋が時間をかけて開錠したほうが、ベテランのカギ屋が短時間で開けてしまった場合よりも満足感を持ちやすく、お客様から感謝されるといいます。

本来ならば待たされずに早く開いたほうがメリットになるにもかかわらず、これだけ努力してもらって申し訳ないという気持ちが優先されてしまうのです。

数字は見せ方次第。フレーミング効果の使い方

あなたは重い病気にかかってしまい、医師から手術をすすめられました。
大きな手術は不安です。
あなたは手術の成功率を知りたいと思いました。
すると、医師は2つの手術プランがあると言いました。

あなたはどちらの手術を受けたいと思いますか?

A案:手術を受けた100人の患者のうち、1年後に90人が生存しているという手術
B案:手術を受けた100人の患者のうち、1年後までに10人が亡くなってしまうという手術

直感的に答えると多くの人はA案を選択します。
しかし、冷静に見ると両方とも内容は同じです。
違うのは、「生存者」を伝えるか、「死亡者」を伝えるかです。

A案は助かることに意識が向くのでなんとなく安心し、手術を受けようかと考えるでしょう。
しかしB案は亡くなることに目がいってしまい、不安を感じてしまいます。
手術を受けたくない気持ちになるのでしゃないでしょうか?

こうした数字の見せ方で判断が変化してしまうことを「フレーミング効果」と呼んでいます。

フレームが立派だと絵も立派であると見えてしまうように、人は見せ方に影響を受けてしまい、本質を見失うことが多々あります。

プレゼンでは捨て案を用意せよ

企画書をつくって企業に提案に行く場合、「どれか当たればいいな」と多くの案をもっていきがちです。
しかし、人の判断メカニズムから、あまり多くの案をもっていくと興味はもってもらえる反面、選ばれにくいという危険がともないます。
また、本当ははA案をとおしたいのだけど、別のB案、C案に決まってしまい、残念な思いをしたこともあると思います。
それは捨て案のつくり方が悪かった可能性があります。

捨て案とは最初から採用されないことを前提にした案の事で、提案のバランスやボリューム調節につくられる案のことをいいます。

私たちはシンプルな比較構造をもっています。A案、B案、C案とどれも別の方向を向いたものを作ると単純に比較できなくなり、相手もどれを選ぶかわからなくなってしまいます。

そんなときはA案、B案、「Aマイナス案」をつくるのです。
Aマイナス案は、A案によく似たA案よりも劣っている内容のものです。
似ているので簡単に比較してくれます。

B案とは比較しにくいので、B案のよさは引き立ちませんが、比較しやすいA案はよく見えて、A案に決まりやすくなるのです。

たとえばギフトの商品提案をすると仮定します。

あなたはグラスかカードかを提案したいと考えました。
A案は「飲み物を注ぐと音楽を奏でるグラス」
B案は「ブラックライトがついていてオリジナルの写真が浮かび上がるカード」を用意しました。

会社からは利益率の高いA案を通せといわれています。

あなたはそこで、「Aマイナス案」としてA案より少し劣った別機能のグラスを用意するといいでしょう。
つまり比較のダミーアンカーであり、おとりになってくれるので、A案がよりよく見えるのです。

部下への指示は具体的に

「注意しても同じ過ちをする」
「部下が指示とおりに動かない」

こんな経験はないでしょうか?

それは指示や注意の仕方に問題があるのかもしれません。

たとえば相手を叱る場合、「なにやってるんだよ」と感情的な叱り方をすると、部下は叱られないように行動をしますが、原因と改善の方法がよくわからず、似た過ちを繰り返すでしょう。

部下にミスを注意するなら、ミスをした「原因」を提示し、結果を振り返らせどんな「影響」がでたのかを伝え、自分の「感情」を伝えると効果的です。

たとえば数値の転記ミスを注意するのなら、
「提出前に見直せば気がつくミスだ(原因)。この数値が違うと経理のみんなが困るから(影響)、次回からちゃんと見直して提出してくれ。お前には期待していたから私は残念だよ(感情)」と言えばいいのです。

原因や影響、改善点などを具体的に伝えると、それが基準になるのでどうすればいいかがわかります。
また感情部分を伝えることで、人間がもつ「期待に応えたい」という気持ちを刺激するのです。

最近は厳しく言いすぎると、会社をすぐに辞めてしまう人が多くいます。
しかし、言わないと図に乗る人もいます。

自分の言いたいことはいうけれども、相手の事もしっかりと考えていると感じさせる叱り方がいいでしょう。

また、なにかを依頼する場合や直しを指示する場合などは「もっとセンスよくやってくれ」のような抽象的な指示はよくありません。

具体的に「AをBにしてくれ」「〇〇を使ってCをDに変更してくれ」といった指示が求められます。

人の判断システムは「比較」が基準です。
比較するものがないと人は混乱してしまうのです。
比較するものをたくさん与えすぎてもいけません。
どう比較していいかわからなくなり、比較することをやめてしまいます。

人間の判断システムからいって具体的なアンカーを提示してあげることは、効率的な指示なのです。
部下を持つような立場の方は、
「ここまでする必要があるか?」
「昔は自分で考えてやったもんだ」

と思うかもしれませんが、合理的に考えると、部下や仲間の成功はあなたのメリットにもつながります。

第一印象に全力を尽くせ!

ビジネスシーンではいろいろな人と出会います。

この出会いをうまく活用することで、とても有利にビジネスを展開できます。

人との「出会い」「会話」「終わり方」の3つに分けて、それぞれ大事なポイントを説明したいと思います。

「出会い」で大事なのは第一印象です。
「初頭効果」といって人は最初に見たものの影響を受けやすく、その印象が長続きするという傾向があります。

つまり最初に良い印象を相手にもってもらえば、その後も好意的に対応してくれる可能性が高くなります。

この第一印象は非常に短い時間(5~6秒)で形成されます。
人と出会うことが多い人は1~2秒で相手の印象をつくってしまいます。

そしてこのときに大事なのは、「外見」「表情」「視線」「声」「話し方」「姿勢」といったものです。
実は「話す内容」はとても重要でないかぎり、影響力が小さいことがわかっています。

「外見」は見た目がとても大事

意識して身だしなみを整え、顔の印象を上げるようにします。

服やネクタイの色にも敏感に、明るく見える色の服を選びましょう。
よくわからない人は白いシャツが無難です。
緑系は顔色を悪く見せるので注意してください。

「表情」でもっとも好印象を与えられるのは笑顔です

よい笑顔をつくれるように鏡を使って訓練しましょう。

相手に興味を持つことで相手に好かれる「視線」をつくることが出来ます。
話に興味がないと視線が違うところに行くので注意してください。

「声」はハッキリと語尾も明瞭に発声しましょう

話すスピードは出来るだけ相手に合わせるようにすると相手は心地よく感じます。
そしてきれいな言葉づかいを意識すると好印象を得られやすいです。

「姿勢」がよいと「しっかりしてそう」な人だと信頼感をもってくれます

退屈すると手や足が動き出すので、コントロールはしっかりしたいものです。

「%」と「割合」のイメージ

精神に不調をきたした患者の退院について、心理学者と精神科医に意見を聞いた実験があります。

彼らを2つのグループに分けて、少し見せ方を変えてみました。

A:このような患者は、退院後半年の間に暴力行為をおかす確率が20%あると考えられる。
B:このような患者は、退院後半年の間に100人のうち20人が暴力行為をおかすと考えられる。

するとAは21%の人が退院を反対しました。
しかしBはほぼ倍の41%の人が退院に反対しました。

この質問に回答したのはなんと、医師や学者です。

専門家でも表現の違いだけで、こんなにも差がでるのです。

Aは「%」で表現されると、机上の確率的な感じがして暴力行為をおかすイメージが薄らいでしまいがちです。
100人のうち20人とすると、具体的に暴力行為を行っているイメージが湧きやすく、危険性を強く実感してしまいます。

こうした感情の動きで起こる偏りを「情緒によるヒューリスティック」と呼んでいます。

このヒューリスティックはいろいろなものに応用できます。
たとえばくじ引きなら「当選確率10%」より、「10個に1個が当たり」とするほうが当たる感じがします。
さらに「100個に10個が当たり」とすると当たり玉個数を想像して、当たりが沢山あるイメージがします。

ボーナスは先払いで!損失回避性を利用せよ

ボーナスは給料とは別に支払われる特別な報奨金です。
このボーナスがあるために、サラリーマンのモチベーションが上がったり、下がったりします。

非常に効果的なシステムですが、もっともボーナスを効果的なものにするなら、会社はボーナスを先払いにしてあげるのがいいのです。

もちろん、支給には条件があります。

2012年、シカゴ大学のジョン・リスト教授らは、教師に生徒の成績を向上させるインセンティブとして報酬を与える際は、成果が上がらなかった場合に「返還させる」という条件で先払いするのが効果的であると発表しました。

リスト教授らはシカゴ市近郊の町で地域の教員組合の協力を得て、150人の教師にインセンティブ効果の実験に参加してもらいました。

教師たちをランダムに2つのグループに分け、

Aグループの教師は、40万円の報酬を先払いされ、学年末までに生徒の成績が向上すればするほど返還金額が少なくなるという条件をだしました。
Bグループの教師は、年度末までに生徒の成績が向上していれば年度末に達成報酬の40万円が支払われる条件でした。

実験の結果、報酬を前払いされたAグループの教師の生徒の成績が10%向上したのに対し、年度末に報酬が支払われる条件のBグループの教師の生徒は、成績が向上していませんでした。

この結果についてリスト教授は、「損失回避」が強く教師に働いた結果であると推測したのです。

みなさんも想像してみてください。
最初に40万円を渡され、個人の目標が達成しなかったら返せといわれることの恐ろしさを。

高いものを先に売れ!

あなたは洋服屋の店員だとします。
ある日、男性が「ジャケットとシャツと靴下がほしい」と入ってきたとします。
あなたならどうしますか?

ジャケットは高い買い物になるから、ちょっと後回しでと遠慮して「先にシャツを選びましょう」といってはいけません。
少しでも売り上げを上げたいなら、高いものから決めていくのがセオリーです。

5万円のジャケットを買った後なら、5000円のシャツは安く感じてくれます。
500円の靴下はもっと安く感じてくれます。

これは「コントラスト効果」と呼ばれている人の認知傾向です。

最初に見たものと2番目に見たものに大きな差があると、実際の差より大きな差として考えてしまうというものです。

不動産屋や自動車販売の営業はこうした人の傾向をよく知っていて、わざと高い物件を見せておいて、次に安い物件を見せて購買意欲を活性化しようとします。

また、人は高い買い物をした後は、安いものをムダに買ってしまうことがあります。
車の購入、家の購入後はとても危険です。
車の購入後に予算よりも高いカーナビを買ってしまったり、家の購入後に本来必要のなかった家具を買ってしまったりすることもあります。

購入者として店に行くなら安いものから見て、ムダづかいをしないように注意しましょう。
逆に、ショップ店員なら、ズバリ高いものからすすめましょう。

【まとめ】

いかがだったでしょうか?

どれも、社会人の方なら明日から使えるテクニックばかりです!

是非、この後すぐに試してみて下さい!そして、効果を実感して頂けたら嬉しいです!