量販店で売り上げを伸ばす、行動経済学の力とは!?

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消費活動をするうえで、私たちは行動経済学の影響をかなり受けています。

フランスの曲を流すと、フランスワインが売れる!?
値段が赤いとついつい買ってしまう!?

ポーポー・ポロダクション著「マンガでわかる行動経済学」より、
今回は【スーパー、量販店編】ということで、スーパーや電気屋さん、洋服屋さん等で働いている方向けに「マル秘テクニック」をまとめてみました!

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さっそく明日から使っていただき、絶大な効果を実感して頂けたら嬉しいです!

1980円に隠された秘密とは!?

スーパーや量販店では「1980円」「19800円」などの表記をよく見かけます。

これは「端数価格」と呼ばれ、消費者の購買意欲を高める心理効果があると知られています。

「1980円」の場合、2000円よりも20円しか安くないのに、たった1%の割引率なのに、1000円台であると思い、「安い」と感じてしまうのです。

更に、定価表示ではないので「なにかしらの値引きが存在しているのではないか」と、希望的観測をもってしまいがちです。

この表示方法は日本だけでなく世界中で使われています。
有名なのはアメリカの量販店ですが、ヨーロッパ諸国の市場でも見られます。
ただし、日本と表示方法に違いがあります。

海外では「1.99」などのギリギリの表記が良く使われていますが、日本は最後の単位を「8」「80」にすることが多いのです。

日本人は音に敏感な民族であり、「イチキュッパ」などの「パ」という音がリズム的に心地よく聞こえ、いいやすいことがあるのでしょう。

また「9」はギリギリでいかにもイヤらしいと思われるかもしれないので、「8」を使うというのも日本人らしい感覚です。
さらに「8」は感じで表すと「八」と末広がりになるので縁起がいいと、昔から好まれて使われてきた数字であり、それが習慣になっていることも影響しているでしょう。

瞬時に「安い」と直感に訴える方が効果的ですから「1988円」「1998円」のように、見なくてはいけない数字を増やすのではなく、「1980円」とスッキリ見せる方がよりいいのです。

値段が赤いとついつい買ってしまう赤文字効果とは!?

スーパーでよく見る値札には赤文字で金額が書かれています。
なぜ赤で書かれているのでしょうか?

「それは、赤が遠くからでも目立つから」と思われるかもしれません。

確かにそのとおりで、赤は遠くからでも目立つ色です。
赤は誘目性が強い色で、ほかの色があふれる売り場においても多くの人の目に飛び込んできます。
しかし、それだけではありません。

赤文字で書かれた値札は商売における「赤字」を連想させ、「買ったら得である」という気持ちを無意識に連想させてしまいます。
加えて、赤には感情的な興奮を促し、行動を促進させる心理効果があり「どうしよう、買おうかしら」と迷っている人の行動を後押ししてしまう色でもあるのです。

まさにさまざまな理由から、は値札に最適な色であるといえます。

実は、この赤に対する反応には男女差があるのです。

女性は色に反応しやすいのですが、その中でも特に赤に反応しやすいのです。
その理由は複数ありますが、主要な説が2つあります。

1つは人類が霊長類から進化する過程で男性は狩猟、女性は果実などを採集する生活に適応し、果実が熟していることを示す赤みに敏感になったという説です。
そのため女性は先天的に赤に反応するといいます。

もう1つは後天的なものとして、女性は小さいころから赤やピンクの物を与えられて育ちます。
常に身近にある色なので、その色に対して色を見極める能力が発達し、赤に敏感になっているという説です。

スーパーを利用する人は女性が多いことからも、赤文字での価格表示はとても効果があるのです。

選択肢が多いと人は選ばなくなる

なにかを選ぶときは選択肢が多いほどよいといわれています。
選択肢が多いと自分がもっとも得する選択を選びやすく、選択に満足することにつながります。

ところが行動経済学で考えるとそうともいえません。
コロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授とスタンフォード大学のマーク・レッパー教授は、選択肢の数と購買意欲に関する実験をしています。

彼らは北カリフォルニアにあるスーパーマーケットにジャムの試食ブースをつくり、6種類のジャム24種類のジャムを並べて買い物客の反応を調べるという実験を行いました。

6種類のジャムが並べられていたときは買い物客の40%が試食しましたが、24種類のときには60%の人が試食しました。
しかし、驚くのは実際の購入率です。

6種類のジャムは買い物客の30%が購入しましたが、24種類のジャムでは3%しか購入につながらなかったのです。

この実験は、選択肢が多いほど魅力を感じて注目を集めることはできますが、実際に購買になると迷ってしまい購入意欲が削がれてしまうということを表しています。

私たちはなんでも比較するのですが、比較する基準がわかりにくかったり、比較するものが多すぎたりすると比較することをやめてしまう傾向があるのです。

居酒屋に行ってメニューがありすぎるとうれしいと思う反面、注文を決めることがめんどうになり、店員さんに「オススメは?」と聞いたことはありませんか?
「選択肢は多ければよい」ということではないのです。

フランスの曲を流すとフランスワインが売れる

イギリスの量販店でBGMの種類とワインの販売量を調べる実験が行われました。

店のワインコーナーの棚にテープデッキを設置し、同じ値段のフランスワインとドイツワインを置きました。
そしてフランスの曲とドイツの曲を1日おきに流して関係するワインの販売量を調べたのです。

フランスワインはフランスの曲をかけた日に40本売れましたが、ドイツの曲をかけた日には12本しか売れませんでした。
ドイツワインはドイツの曲を流した日には22本売れましたが、フランスの曲の日には8本しか売れませんでした。

そして利用者のほとんどが、BGMになんらかの影響を受けたという自覚がありませんでした。

こうした人の傾向を利用して特定の商品を売りたい場合、関連した曲を流すのが効果的です。
オススメ食材として特定の商品を大量に用意した場合など、スタッフが「オススメです」と声をかけるだけでなく、BGMを活用した無意識のオススメが効果的です。

またゆっくりと落ち着いた「居心地のよさ」を前面にだしたいなら、落ち着いた色調の店舗にするだけでなく、BGMを工夫すべきです。

同じBGMでも周波数帯域を変化させることで大きく印象が異なります。
特に、低い周波数帯域が多い曲は、心地よさを感じさせる効果があり、ゆったりとした雰囲気のカフェなどに向いています。

単純に有線のBGMを使うだけでなく、雰囲気の良い音楽は店のイメージ向上にもつながります。

また、BGMはほかの雑音をカットする効果もあります。
これを「マスキング効果」といいます。

ある周波数帯域の音が、ほかの同じ周波数帯の音を聴こえにくくしてくれるのです。
他人の会話や足音、空調の音などを隠す効果も期待できます。

高いものを先に売れ!

あなたは洋服屋の店員だとします。
ある日、男性が「ジャケットとシャツと靴下がほしい」と入ってきたとします。
あなたならどうしますか?

ジャケットは高い買い物になるから、ちょっと後回しでと遠慮して先にシャツを選びましょうといってはいけません。
少しでも売り上げを上げたいなら、高いものから決めていくのがセオリーです。

5万円のジャケットを買った後なら、5000円のシャツは安く感じてくれます。
500円の靴下はもっと安く感じてくれます。

これは「コントラスト効果」と呼ばれている人の認知傾向です。

最初に見たものと2番目に見たものに大きな差があると、実際の差より大きな差として考えてしまうというものです。

不動産屋や自動車販売の営業はこうした人の傾向をよく知っていて、わざと高い物件を見せておいて、次に安い物件を見せて購買意欲を活性化しようとします。

また、人は高い買い物をした後は、安いものをムダに買ってしまうことがあります。
車の購入、家の購入後はとても危険です。
車の購入後に予算よりも高いカーナビを買ってしまったり、家の購入後に本来必要のなかった家具を買ってしまったりすることもあります。

購入者として店に行くなら安いものから見て、ムダづかいをしないように注意しましょう。
ショップ店員なら、ズバリ!高いものからすすめましょう。

売りたいものを売るには「特上」をつくる

人は「安いもの」「真ん中」「高いもの」とあると「真ん中」を選びやすくなります。
この人の選択傾向は応用することができます。

飲食店、ショップ、ネットショップでもなにかのセット販売を考えている場合、「安いパッケージ」「高いパッケージ」の2つでは、注文が分散してしまいます。

利益率の高い「高いパッケージ」を売りたい場合は「さらに高いパッケージ」をつくると効果的です。
「並」「上」のラインナップに「特上」をつけ加えるのです。

業種や内容にもよりますが基本的に「特上」はあまり売れません。あくまでも「上」を売るための「比較物」という立ち位置でいいでしょう。
価格の比較なら3種類にするといいでしょう。

もし最初から「梅」「竹」「松」とコースがあるところに、「松」を売りたいので「特上」をつくって4つにしたとします。すると「松」が売れるというわけでなく、「竹」にも流れてしまいますし、意外なことに「梅」にも分散する傾向が見られました。

人の価格判断は4つ以上になると分散、多様化してしまうようです。

ただし4つ、5つにするのが悪いわけではありません。
数が多くなると特定のものが売れなくなるかわりに、選択肢が増えたことで注目度が上がり、販売自体が上がる可能性があります。

色や味のバリエーションなら5つ前後がいいと思われます。
ただし多すぎると、比較がめんどうになり販売量自体が下がる危険性があります。

利益率の高い商品を意識的に販売するのか、販売全体を底上げしたいかで選択する戦略が変わってきます。

まとめ

いかがでしたか?

今考えてみると、いろいろなお店で見かけるテクニックだったのではないでしょうか?

まだ取り入れてないテクニックがあれば、積極的に使っていただき、売り上げを伸ばしていただけると嬉しいです!