普段の生活に潜む、行動経済学的を解明してみた!

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消費活動をするうえで、私たちは行動経済学の影響をかなり受けています。

貯金できる人、できない人の違いとは!?
長い行列でも不快に感じないわけとは!?

ポーポー・ポロダクション著「マンガでわかる行動経済学」より、
今回は【普段の生活編】ということで、生活の中に潜んでいる行動経済学のテクニックを解説したいと思います!

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さっそく本日から使っていただき、絶大な効果を実感して頂けたら嬉しいです!

貯金できる人、できない人の違いとは!?

特に浪費家という認識はないのに「ついお金を使ってしまい貯金ができない」そんな人が増えています。

2人以上の世帯における貯金ゼロ家庭は2013年時点で31%にもなっています。

「それは不景気で収入が減っているからだろう」という人もいます。

もちろん所得の減少の影響は大きいでしょう。
しかし低収入でも貯金できている人はいますし、高収入なのに貯金できない人もいます。

貯金できない人の傾向として、生活して残ったお金を貯めようとしていることです。
この方法で貯金することは極めて難しいと思います。
それは、人は残ったお金を見ると使いたくなってしまうからです。

実はコレ、「現在バイアス」という概念が関係しています。

「現在バイアス」とは、将来に得られる利益や目標達成よりも目先の利益を優先する傾向が強い偏りのことをいいます。
「現在バイアス」の強い人はなかなか貯金ができません。

今の娯楽ももちろん大事ですが、将来への貯金、投資から得られるリターンはそれ以上のメリットがあることをお忘れなく。

節約の天敵、それは現状維持バイアス!

携帯電話会社やプロバイダーは、次々とお得な新プランをだしてきます。
競争が激化するなかで、顧客の囲い込みが盛んにおこなわれています。
すると既存のプランとの差がどんどん開いてしまいます。

合理的に考えるなら少しでも安いプランにした方が得なはずですから、どんどん新しいプランに変更するべきです。
ところが多くの人は積極的に新しい携帯電話会社やプロバイダーに変えようとしません。
これはどうしてでしょう?

それは「現状維持バイアス」が働いているからです。

「現状維持バイアス」とは、現在の環境を変えると得をすることが分かっていても、変化することに不安や違和感をもち、現状維持を選んでしまうというバイアスです。

「手続きなどがめんどうだから」と理由を後から付け足し、自分を納得させることもあります。
この「現状維持バイアス」は節約の天敵です。

「安いものに変える」
「いらないものは解約する」

節約しなくてはいけないとなんとなく思っていても、現状維持バイアスの強い人はなかなか変更することができないのです。

こうしたバイアスの存在を知って、変える勇気をもつことが大事です

実は「ジンクス」にも「現状維持バイアス」が働いています。

ジンクスとは勝負に勝つために行う行動などの縁起担ぎのことをいいます。
「右足から靴を履く」「スタジアムに入るときは左足から」など、アスリートが勝ちパターンとして毎回繰り返しています。

勝つためと言うより、変えて失敗することに不安があり、途中でやめることができなくなってしまうのです。

直前に聞いた話が行動を促進させる

国政選挙の投票率の低さが問題視されています。
投票率が低下するのには様々な原因があり、簡単には引き上げられないと思われています。
ところが簡単に投票率を上げる方法があります。

それは選挙の前日、有権者に「明日投票に行きますか?」という質問をすると、その人が投票に行く確立を25%も上げられるのです。

あらかじめある事柄を見聞きしておくと、関連した情報を思い出しやすくなります。
これを「プライミング効果」といいます。

ほかにも、全米で4万人をサンプル対象とした調査で、対象者に「今後、6カ月以内に新車を買うつもりですか?」と質問しただけで、35%も新車購入率が上昇したという結果がでています。

人は全ての記憶の中から自由に情報を出し入れしているわけではありません。
直近に聞いた情報に関連する情報が取り出される傾向にあります。

たとえば、海外の海の映像やサンゴ礁の映像を見た後に、沖縄のイメージを聞くと「美しい海」と答える比率が高くなります。
軍事施設での事故を見た後に沖縄のイメージを聞くと「基地」と答える比率が高くなります。

海外の海の映像は沖縄と全く関係なく、軍事施設での事故もアメリカの基地とまったく別の国の映像だったとしても、影響を与えてしまうのです。
「赤」の情報から「リンゴ」を思い出すように、直接的な情報でなくても影響を受け、思い出しやすくなるのです。

誰かの気持ちを動かしたい場合は、関連する情報のポジティブな部分をさりげなく見せるといいかもしれません。

見えるものが見えているわけではない

私たちは対象物を見たときに、色や形、位置関係などを正確に把握できます。

人の目はとても高性能なのですが、全体に目が奪われディティールを見落とすこともあります。

なにかを探していたりすると、他の情報の流入が制限され、視覚の中にあるのに気がつかないこともあります。

テレビ番組でこんな実験がありました。10人の男女に、多くの人が通り過ぎる映像を見せ、「白い服を着た人は何人でてくるか?」と特定の人を探してもらうというものです。

10人中7人が白い服の人数を正しく答えられましたが、その映像には1つ秘密がありました。
全身タイツのタレントがパントマイムをしながら通り過ぎていたのです。
ところがその姿に気づいたのはわずか3人しかいなかったのです。

私たちの目から入ってくる情報は非常に多く、そのすべてを認知できないのです。
このように重要でない情報と思われるものは自動的に排除されてしまいます。

また男性と女性によって見ているものが違うこともあります。

たとえばひったくり事件を目撃した場合、男性の目撃者はひったくり犯の外見上の様子をよく覚えています。
ところが女性はひったくられた被害者のほうに目がいき、被害者の容姿や行動を覚えているといいます。

ニューヨーク市立大学ブルックリン校のイズリエル・エイブラモフ教授の研究チームによりますと、女性は男性よりも色に敏感で、男性は遠くのものを見たり、すばやく動く物体を目で追うことが女性より得意といいます。

見たいものだけを見るというのは、都合よく現実をゆがめて解釈することにもつながります。

たとえば、女性に対して偏見をもっていると、女性は様々な行動をしているのにもかかわらず、自分の固定概念と合致するところを見かけると、それだけを抽出し「女性はやっぱり〇〇だな」という結論をもってしまいがちです。

その結果、自分の固定概念をさらに強くしてしまいます。
こうした偏りを「確証バイアス」といいます。

歳を取るにつれ「確証バイアス」は強くなる傾向にあります。
それは、今まで見てきたものが正しいと思うからです。

決めつけることなく、色々な人の意見を聞き、「本質」を見抜けるようになることが大切ですね。

人はマルチタスクが苦手

私たちの熟慮システムは同時に2つの情報を処理するのを苦手としています。
同時に複数の作業をしているように見えても、1つの作業を一定の短時間で行き来しているだけなのです。

スマホを操作しながら車の運転は「できているつもり」になっているだけで、操作中はいっさい車の運転に意識が向いていません。
行動経済学、心理学、脳科学からいっても非常に危険な行為です。

次の文字色を答えて下さい。文字名ではなく、漢字の色自体を答えて下さい。

 黄色  白   

少しとまどったのではないでしょうか?

このように漢字と色など、同時に2種類の情報を処理しようとすると脳内で認知が干渉し合って反応が遅れます。
色を答えようとしても、無意識に単語が目にとまってしまい、瞬時に読める漢字を答えてしまいそうになるのです。

「テレビを見ながら料理をする」
「雑誌を読みながら奥さんの話を聞く」
という行為は、とても効率が悪いのでやめた方がよさそうです。

損失と利益の価値の差

人は、1000円の利益よりも、1000円の損失の方が強く評価される傾向があります。
実際に、人の利益と損に関する差を、次の質問を通して考えてみたいと思います。

質問:「コインを投げた目によってお金をやり取りするゲームを行います。コインの裏がでたらあなたは1000円払わなくてはいけません。逆に表がでたら〇〇円もらえます。あなたはいくらもらえるならこのゲームに参加しますか?」

コインの裏がでる確率は2分の1、表がでる確率も2分の1です。
したがって裏がでた場合、あなたは1000円払うとするならば、表が出たら1000円をもらうのが公平な賭けになります。

しかし、人は損失回避性が強く、1000円を失う痛みと1000円を得るよろこびは同じではないのです。
したがって、この条件で積極的に賭けをしたくないと考える人がほとんどです。

そこで上記の質問のように1000円にいくら上乗せすると、1000円を失う痛みと同じと考えるかで簡易的にわかるはずです。
この質問を594人(男性404人、女性190人/10代~70代)に依頼し回答を得たところ、全員の平均金額は2499円となりました。

1000円払うダメージと2499円もらう喜びがほぼ同一ということです。

1000円の場合、損をする気持ちは得をした時の気持ちと比較して約2.5倍も強いのです。

そしてこのデータをもう少しくわしく見てみると、
男性の平均が2355円なのに対して、
女性の平均は2804円となりました。

どうやら約450円分、女性の方が損をしたくない気持ちが強いようです。

女性は昔から男性よりも損得に敏感といわれています。
大きな差ではありませんが、男性は女性の特徴を理解することが大事です。
女性に損を感じさせないように行動することが、男性にとってもいい結果を生むと思われます。

1000円はいつも1000円とはかぎらない

標準的な経済学では1000円の価値はいつも同じと考えます。
しかし、1000円の価値は「いま財布にいくらお金が入っているか」「どうやって稼いだものか」でも異なります。

カーネマン教授とトベルスキー教授が実施した実施した実験からお金の相対的な価値について考えてみましょう。

質問1:2500円の万年筆を買おうと思ったが、15分歩いたところに、別の店がセールをやっていて、同じものが1800円で買えるのを思いだした。あなたならどうしますか?

質問2:45500円のスーツを買うことにしましたが、15分歩いたところで同じスーツが44800円で売られているのを知りました。あなたならどうしますか?

すると万年筆はほとんどの人が7ドル別の安いお店に買いにいき、スーツはほとんどの人が別の店に行かなかったといいます。

万年筆の700円割引は、商品の価格と比較すると比率が大きいためにとても大きな割引率に思えます。
ところがスーツの場合、相対的な割安感が低いので、同じ700円でも安さを感じにくく、700円を余計に払うといいます。

車や家など、高い買い物をするときは「1万円単位」で変わってくるので、気を付けてくださいね!

ものの価値は今日と明日では大きく違う

1000円は、時間によって価値が変わります。

たとえば今日1万円もらえたとします。
今日もらわなければ、明日以降いつでももらえるとします。

人はたいてい「今日」もらいたいと考えます。
未来より今の幸せを重く見ます。

これは、本来普遍的な1万円というお金の価値が、未来では下がってしまうことを意味します。ところがこの1万円の価値は、均一に低下していくわけではありません。

今日と明日では大きく違います。
しかし365日後と366日後ではほとんど変わらない価値になります。

「今日と明日の違いは、明日と明後日の違いより大きい」
ということです。

ものの価値は「いま」と「少しあと」では大きく下がり、
「そのあと」「ずっとあと」までゆるやかに下がっていきます。

この概念を「双曲割引」と呼びます。

この割引率はダイエットや禁煙の難しさで説明できます。
ダイエットや禁煙がいいのはわかっていますが、将来の利益よりも「もう1杯だけ」「もう1本だけ」と今の心地よさに手をだしてしまいます。

未来の価値より、いまの価値のほうがはるかに大きいのです。
私たちは「いま」の価値を高く見積もるのです。

そしてこの割引効果はとても個人差があります。
割引が大きい人もいれば、小さい人もいます。

一般的に割引効果は所得が高い人ほど小さく、女性より男性のほうが大きいといわれています。
食費を多く使う人、ギャンブルをやる人も大きいといわれています。

こういったことから「お財布を握っているのは奥さん」という家庭が多いのでしょう。

あなたの投票はコントロールされているかも!?

1つ質問です。次の2人が選挙に出てきたとします。
さてあなたはどちらを選びたいですか?

A:学生時代に成績証明書の改ざんを行ったことで学校を退学になり、クラスメイトから「詐欺師」と呼ばれていた。成人してからは闇の商売で資産を拡大し、快楽主義者でプレイボーイだった。

B:画家を目指すも古典的な絵が認められず成功しなかった。菜食主義者でタバコを嫌い、愛国者でたまにビールを1本飲んで、禁欲的な生活を送っている。

Aはオスカー・シンドラーでBはアドルフ・ヒットラーです。
シンドラーはナチスの虐殺から多くのユダヤ人を救った人として有名で、ヒットラーはナチスの指導者です。

しかし、このように一部の情報を切り取ると、ヒットラーの方が信頼できる人に思えてしまいます。
なぜ信頼できそうだと感じるかといえば、この紹介文が典型的な「よい人」のイメージになっているからです。

代表性ヒューリスティクスの罠がここにあります。

「よいところと悪いところを抽出して比較しているんだからあたり前」と思われるかもしれません。
しかし、実際の選挙でも特定の候補を支持していない層の人は、これと似た行動をとることが確認されています。

テレビでの発言や報道の印象に残る一部を切り取って、「あの人は誠実そう」といったぐあいに、偏った判断をしてしまいがちです。
候補者の真実の姿をじっくりと見て判断しようとせず、断片的な都合のよい情報で人を選んでしまいがちです。

自分で選んでいるつもりになっているだけで、その投票は実はコントロールされているのかもしれません。
また選挙で「投票したい」という気持ちになると、相手のポジティブな部分に目がいくようにできていて、悪いところに目をつむる傾向があります。

さらに誰かが勝ちそうになると勝ちそうな人を応援したくなる「バンドワゴン効果」と呼ばれる心理効果も働きます。

物事の「良い部分」「悪い部分」両方をしっかりと見て、冷静に判断していく必要があります。

【長い行列でも不快に感じないわけ】

「待ち時間660分」

この絶望的な待ち時間は、2018年11月18日にディズニーランドで記録されたアトラクションの待ち時間です。
長すぎてピンとこない人ためにフレームを変えてみます。

11時間です。

ディズニーランドでは、どのアトラクションに乗るのも長い行列を並ばなくてはいけません。
なぜ並ぶかといえば、その時間を使ったとしても、それ相応の対価があると考えるからです。
更に行列があることで、すばらしい体験ができるに違いないと思い込み、余計にワクワクしながら待ってしまいます。

ディズニーランドでは、行列を心理的に研究して、来場者を不快にさせないような演出を行っています。
まずは当初から行列ができることを想定し、行列をクネクネと曲げ、アトラクション内部に入ってからもいろいろな場所を通そうと計画されています。

行列はまっすぐ並ぶよりも、適度に曲がることにより、並んでいる景色が変わったり、他人の顔が見えたり、いろいろな情報によって気がまぎれて、長く感じないという効果があります。

建物内部には隠れキャラクターなどが用意されているところもあり、そうしたものを探す楽しみをつくっています。

さらに、最初に待ち時間を表示しています。
渋滞情報も同じですが、人は不確実なものを与えられると都合よく解釈して、その差からイライラすることがあります。
最初から時間を提示することによって、イライラ感が軽減されるのです。

またこの行列時間は、時間を少し長めに告知しているのです。
「60分待ち」と書かれたところを50分で通過できると、すごく得した気になりませんか?
人間の心理をとてもうまく利用していますよね。

実は、グッズのショップが最後にあるのも大きなポイントなのです。

これを行動経済学では「ピークエンドの法則」と呼んでいます。

経験が快楽だったか苦痛だったかは、出来事の長さの比率ではなく、終了時の快苦のピークとの位置関係で決まってしまいがちです。
長い行列を待ったにもかかわらずアトラクションを体験したあとは、「楽しかった」と負の記憶を忘れさせてくれます。

アトラクションは楽しい記憶で終わるので、行列の負の記憶が残りにくいのです。

まとめ

いかがでしたか?

普通に生活しているだけでも、いろいろな行動経済学のテクニックに踊らされているのがわかるかと思います。

仕掛ける側のテクニックを知ることで、自分は「本質」が見えているかを再確認できます。

心理学、行動経済学のテクニックを覚えることで、無駄な出費を減らしたり誤った選択を減らせることができます。

興味のある方は是非、「心理学」「行動経済学」について勉強することをオススメ致します!